中国の日本製品をボイコットをまじめに考える

中国で反日デモのニュースが連日流れているが、日本製品や、日系スーパー等における買い物ボイコットについてまじめに考えてみよう。

まず、「日本製品をボイコットせよ!」という意見だが、日本の対中輸出で大きな額を占めるのは半導体、鉄鋼、プラスチックというような中国国内で加工される目的のものがメインで、一般人が使う完成品で日本製のものはあまり中国では売っていない。売っていたとしても高級品なので特に現在デモが行われているような、内陸の一般民衆にはほとんど関係ない世界の話だ。そこで、「日本製品をボイコットせよ!」というのは、「日本から中国に輸入された、半導体や鉄鋼、プラスチックを使って作っている製品は中国メーカーの物でも買うな!」という意味かなあと考えると、それらを選別するのは困難のでやってられん、という話になってしまうので、そういう意味では無いと思う。

そういうわけで、正しくは、「中国製であれ、日本の会社(=日本のメーカー)が作った製品をボイコットせよ!」という意味で彼らは叫んでいるのではないかと思う。

そこで問題になるのは、「日本の会社」の定義になってくる。これがなかなか難しい。
まず、思い浮かぶのは、1.「本社が日本にある会社」ということだと思う。

では、「本社が日本にある会社」が具体的に中国で儲けると問題が起きるのだろうか。
デモ行進をしている人たちは、「日本企業は中国で儲けるだけ儲けて、稼いだ利益を日本に持ち帰っている!」、ということを考えるかもしれないが、そもそも日本に利益を送金できたとしても、それは法人税支払い後なので、中国の国益にとってはいいことはあっても悪いことは無いと思う(雇用も生み出しているし)。更に細かいことを言うと、日本への利益送金は、三項基金(準備基金、企業発展基金、従業員奨励福利基金)という積立金を規定にしたがって控除した上で、ありとあらゆるめんどくさい資料を用意して行わなくてはならず、大手メーカーなどは基本的には中国で再投資するために、利益をほとんどを留保することになるのが普通だとおもう(実際私が中国で働いていたときもそうしていた)。

また、例えば節税などの観点から、本社がケイマン諸島のような場所に移った場合はボイコットの対象とならないのだろうか。どうもそういうわけではなさそうだ。

そこで次に考えられるのは、2.「日本で創業された会社」、ということになる。
しかし、日本で創業された会社の製品をボイコットするということになると、例えばM&Aなどによって中国企業に買収された日本企業もボイコットの対象となってしまう。例えば、中国のサンテックパワーが日本の太陽電池の会社MSKを買収したが、反日な人たちは、サンテックパワーの製品(旧MSKが製造しているもの)をボイコットするのだろうか。そういうわけでもないと思う。もう少し直接的な例をあげると、中国にあるヤオハンは、日本のヤオハンが倒産したため、もはや日本とは何の関係も無く中国の資本で経営されているが、デモ参加者はこれも日本の会社とみなしボイコットの対象になってしまうのだろうか。

また、逆にローソンなどはもともとアメリカで創業された会社なので、中国にあるローソンはボイコットの対象とならないことになってしまうので、やはりおかしい(実際に「ローソンのような日本のコンビにでは物は買わん!」と言っている中国人がテレビに映し出されていた)。

最後に考えられるのが、3.「経営者が日本人である会社」ということになるが、これは言うまでも無く、おかしい。だって日本を代表する会社、といわれているSONYの会長がアメリカ人(ストリンガーさん)なのだから。反日な人たちにとってSONYの製品は明らかにボイコットの対象になりえるし、SONYの製品を「日本の会社の製品じゃない」、というデモ隊参加者は非常に少ないのではないかと思う。

そうやってまじめに考えると、結局企業や製品に国籍があって、それをボイコットするなんて考え方は、あまりセンスのあるものじゃないなあ、と思えてきてしまう。

デモ隊参加者は、もう少しまじめに考えてからデモしたり、横断幕作ったりしてほしいものである。

同じことは、映画際ボイコットした人たちにもいえるんじゃないかなあ。
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by dubian2.4 | 2010-10-28 00:17 | 日本
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