日本は中国の最大の支援国。だから?

結局中国政府の謝罪が無かった日中会談。私としては、少なくとも大使館や領事館の破壊行為についての謝罪は必要だと思うが、中国も日本も引くに引けない状況になってきたのであろう。外交とはそういうものだ。

「中国政府は日本国民に対して、今まで申し訳ないことをしたことはない」とまで明言されてしまい、またもや日中関係の悪化が考えられる。


ちなみに、私が驚くのは、日本人も中国人も「日中共同声明」について知らない人が多いことだ。ここの5条、6条では

五 中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。

六 日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。

と書いている。また「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する。」とも書かれている。

もともと、日本と中国は仲の良い国なのだ。どのような議論においても日中共同声明は常に意識するべきだと思う。

外務省のページで全文があります。


さて、日本は中国の支援国としてかなりの金額を支援してきたし、勿論技術支援など中国の社会発展のために多くの協力を行ってきた。日本は間違いなく中国にとって最大の支援国であった。

しかし、この結果がこのデモである。

なぜそうなるのか。

中国政府が、外交のカードとして第2次世界大戦中の出来事を用いたい、ということは勿論在るのだが、もう一つの理由として、日本政府の援助に対する趣旨があいまいであったためであると考えられる。

つまり、この支援は何のためか、支援によって日本政府は何を期待しているのか、ということを明確にしなかったことも問題なのだ。

日本政府が、支援の都度「歴史の問題を直視した結果、中国に対して経済的援助する。中国国民にもそう伝えておいてくれ。」という形にしておけば、もしかしたらもう少し日本も嫌われなかったのかもしれない。

今更になって、「あの時支援しただろう、この恩知らずが」というような主張を日本がしても、
「あの支援には、歴史に関する趣旨はなかったはず。恩を着せるな。」と中国政府に一蹴されるのがオチだ。

例えば、あるレストランのオーナーが何も言わずに従業員のボーイに大金を渡すとする。そうするとボーイはそのお金がなんのために渡されたのかよく分からない。だから、自分なりの解釈で「これは、今日の私の働きが良かったから本日のチップとしてもらったのだ。」と判断する。

それが何ヶ月もした後に、その親父が「あの金を受け取った以上、おまえはうちのレストランで一生働かなくてはならないのだ。」とか、「あの金をあげたのは、本当はお前に辞めてほしかったからだ。とういうわけで、今すぐ辞めてくれ。」などと言われても納得しないだろう。

日本政府は性善説なのだ。「しかるべき支援をして、与え続ければ、中国政府や国民はおのずと日本政府の趣旨を理解してくれる。」という考えは日本人の間だけで通用すると思う。

中国に対しては企業間のやり取りでも、この辺は注意しないといけない、ということを学ばせてもらった。

日本は中国の最大の支援国です。と事実を述べるだけではまだ足りない。

だからどうなの?という、この点が対中交渉では一番大切なのだ。相手は自分なりの解釈はするとしても、こちらの意図まで察しようと努力はしてくれない。これを肝に銘じたい。
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by dubian2.4 | 2005-04-18 05:30 | 上海生活や仕事
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